12年のキャリアを持つベテラン教師が語る、多様性あふれる教育現場の魅力

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こんにちは!九段日本文化研究所 日本語学院の採用担当です。

今回は、日本語教師として12年のキャリアを持つ跡部智恵梨先生にインタビューを行いました。大学で日本語教育を専攻し、タイでの勤務経験も持つ跡部先生。豊富な経験から見えてくる、日本語教育の深さと面白さとは?

日本語教師としてのキャリア形成:長期的な視点で考える働き方

日本語教師という仕事は、経験を積むほどに深みが増し、さまざまなキャリアパスが開けていく職業です。短期的な視点だけでなく、長期的なキャリアビジョンを持つことで、より充実した教師生活を送ることができます。

日本語教師を目指すルートはいくつかありますが、大学で日本語教育を専攻するという道もあります。
日本語教師として長く働く中で、さまざまなレベルの授業を担当する機会があります。各レベルで求められる指導力は異なり、それぞれに専門性があります。

初級指導の専門性

  • 基礎からの体系的な指導
  • 学習者のモチベーション管理
  • わかりやすい説明と効果的な練習デザイン
  • 文字指導(ひらがな・カタカナ・漢字)

中級指導の専門性

  • 待遇表現や文化的コミュニケーションの指導
  • 学習者の母文化との比較視点
  • 表現の幅を広げる指導
  • 中だるみ期のサポート

上級指導の専門性

  • TPOに応じた表現指導
  • 抽象的な話題への対応
  • ストラテジー活用の促進
  • 専門的・学術的な日本語指導

経験を積むことで、これらのレベルすべてに対応できる力が養われていきます。

東京で長く働ける環境とは

日本語教師として長く働き続けるためには、働きやすい環境が整っているかが重要です。チェックすべきポイント:

  • 研修制度や学び続けられる環境
  • 教師同士のコミュニケーション
  • 多様な学生層がいるか
  • キャリアアップの機会
  • ワークライフバランス

自分の成長を支えてくれる環境で働くことが、長期的なキャリア形成につながります。


【教師インタビュー】12年の経験を持つ跡部智恵梨先生に聞く、日本語教育の奥深さ

ここからは、豊富な経験を持つ跡部智恵梨先生のインタビューをご紹介します!

跡部先生、まずは自己紹介をお願いします。
出身は山梨です。大学時代は京都で過ごしました。卒業後はタイで3年仕事をしていました。タイもラオスとの国境沿いの町に住んでいたので、よく自転車でメコン川沿いのカフェへ行きました。とても良い思い出です。
日本語教師を目指したきっかけは?
子供の頃に習っていた英会話教室がきっかけです。はじめは英語の先生になることも考えましたが、先生として外国人ともっと関わるなら日本語の先生がいいかもしれない、と考えたのがきっかけでした。
もともと小学校にも日本語教室があったり、外国にルーツを持つ同級生がいたりと、割と身近な環境だったと思います。そういった環境が、自然と日本語教育への興味につながったのかもしれません。
授業で一番大切にしていることは何ですか?
「楽しい」と感じてもらえるような授業を意識しています。会話例や教材はもちろんですが、クラスの雰囲気づくりも大切だと思っています。
そして「今日はこれができるようになった」という学ぶことの楽しさも感じられるように、学生たちのつまずきを予想して、授業の組み立ても考えています。

初級・中級・上級、それぞれで特に意識していることは?
初級は日々新しい語彙や文法が増えていくので、復習も取り入れながら進めています。できることが増えていく楽しさは一番感じられるレベルだと思うので、積極的にやり取りさせることで、日本語を使うことに慣れるようにしています。
中級は、初級で習ったものに加えて、さらに表現の幅を広げていくレベルだと思います。特に日本語では待遇表現や「日本語らしい」コミュニケーションを学びます。学生には自文化と比較してもらいながら、どんなところが似ていて、どこに気を付けたほうがいいのか、を意識できるようにしています。
上級は、テーマや話題ごとに、それぞれのTPOに合わせた表現や専門的な表現、抽象的な話題などが増え、それに対応する力が求められます。学生たちがストラテジーを活用して、次の学びへと繋げられるように、多角的な視点でのアプローチが大切だと思います。
学生がつまずいたとき、どのようにフォローしていますか?
まずは、本人から話を聞きます。学習でのつまずきは、勉強だけの問題だけでなく、生活や心身の不調などいろいろな部分に繋がっているからです。
どこに原因があるのかを一緒に考えながら、本人にとって一番良い解決策を話し合ったり、時にはアドバイスしたりします。表面的な問題だけでなく、背景にあるものを理解することが大切だと思っています。

クラスの雰囲気と学校の魅力

クラスの雰囲気はどんな感じですか?
学生たちはリラックスした雰囲気で、分からないことを質問したり、練習したりしていると思います。初級Ⅰのクラスでも学期の後半には日本語でやり取りして、クラスメイトと冗談を言って笑いに包まれることもあります。和気あいあいと楽しい雰囲気のクラスが多いです。
九段日本文化研究所ならではの魅力は?
多国籍な学生がいることが魅力だと思います。これまで働いた日本語学校で一番国籍の数が豊かです。様々な国籍、文化、ルーツを持つ人がいるので、十人十色、それぞれの学生の話を聞くのがとても面白いな、と感じています。
同僚やスタッフとのコミュニケーションの雰囲気は?
業務や作業を一緒にすることも度々あるので、学務や募集のスタッフの方たちとも頻繁に話します。また教務の先生方にはクラス運営のことだけでなく、文法知識や教え方などのアドバイスをもらえるので、とても勉強になります。
経験年数に関わらず、お互いに学び合える環境があるのが良いですね。
新しく働く講師に求める心構えは?
最近、よく耳にする「多様性」ですが、この学校では日々それを実感します。様々な文化で育った考えや価値観の学生たちがいて、それぞれに「ちがう」のだということを心に留めておく必要があると思います。
相手にとっての当たり前とこちらが求める当たり前は同じではないことを前提にすると、問題の原因や「ちがう」からこその楽しさが見えてくると思っています。
この視点を持つことで、多文化共生の教育現場がより豊かになると信じています。
授業中に起きた面白いエピソードは?
初級の授業で、「欠席の連絡を学校にする」という会話練習を行ったとき、先生への伝言を頼むのに「よろしくお願いします」という表現がありました。
何かをお願いする時によく使う表現ですが、ある学生は「よろしくお願いします」を”I’m glad to see you.”と覚えてしまったため、「どうしてこの場面で?」と混乱していました。
自己紹介の場面での訳語としては間違ってはいないのですが、言語によって言葉の持つイメージや表現方法が違うので、一概にA=Bとはいかないのが面白さだな、と感じた瞬間でした。
学生たちにも日本語を学びながら、「日本語らしさ」を感じ取ってもらえると嬉しいと思います。
日本語教師としての資格や経験は?
大学の主専攻で日本語教育課程を修了しました。経験年数は12年です。
担当している主な科目やレベルは?
今は初級のレベルの教務を担当しています。クラスはひらがな・カタカナから始まる初級0と、初級Ⅰ、初級Ⅱがあります。学期によっては中級、上級も担当しました。
また、漢字クラスの教務も担当しています。クラスは主に初級レベルの漢字が多いです。
教務として、クラス運営だけでなく、カリキュラム全体を見る視点も持てるようになり、とても勉強になっています。

九段日本文化研究所で一緒に働きませんか?

跡部先生のインタビューから、日本語教師として長く働き、成長し続けられる環境が伝わったでしょうか。
当校では、経験豊富な教師から学べる環境があり、初級から上級まで、さまざまなレベルの授業を担当する機会があります。教務としてのキャリアパスも開かれており、長期的な視点でキャリアを築いていくことができます。

こんな方を求めています

  • 登録日本語教員の資格をお持ちの方
  • 420時間日本語教師養成講座を修了された方
  • 日本語教育能力検定試験に合格された方
  • 大学で日本語教育を専攻された方
  • 海外での日本語教育経験がある方
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